HOME              NEWS           CV         WORKS            PROJECTS            CONTACTS


 

海と路 / 一太郎やあい
瀬戸内国際祭芸術祭2022  撮影:木奥 恵三

古くから多度津は金毘羅街道として多くの参拝者が行き来し、北前船の寄港地として讃岐の交易の玄関口であった。明治時代初期の四国の鉄道発祥の地でもあり、多度津の町には大きな土蔵や長屋、近代の豪商として街を支えた多度津七福神の家など今も当時の繁栄を思わせる。
旧塩田家土蔵に現れた、劇画調のインスタレーション作品。多度津に伝わる『一太郎やあい』の物語を空間に再構築し、海と人が織り成してきた様々な営みを表現した。1階では史実と作家の体験、そして創作が入り交じる物語を劇画調のドローイングで表現。2階にあがると多度津の古い広報物や写真を用いて、薄暗がりの中、イメージの海に船の模型が航海しているようなインスタレーション作品を展開した。
日露戦争時の愛国美談として当時の国定教科書にも掲載されたお話をベースにそこに描かれなかった別離の哀しみ、母の愛を、海の要所として栄えた多度津の歴史を重ねあわせ、史実からも跳躍した物語として再構築する