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Works2020

2020
藻が海ヘテログラフィー
『  山形ビエンナーレ2020 | 山のかたち 命のかたち 』 
   東北芸術工科大学 2020.9.5 - 2020.9.27

    尾花賢一 + 石倉敏明     
山形ビエンナーレ2020
現代山形孝 藻が海伝説

 「山形ビエンナーレ」は東北芸術工科大学が主催する芸術祭。参加したのは山形盆地がかつて湖水の下に位置していた蹴裂(けさき)伝説をモチーフとした『現代山形孝 藻が海伝説』というプロジェクトである。
前年度に引き続き、人類学者・石倉敏明氏と山形県を中心に取材を進めてきたが、残念ながら2020年はオンラインを中心とした開催となった。そのため画像の作品はあくまでも断片過ぎず、本来想定していた展示とは異なる。

撮影:草彅裕

「藻が湖伝説」は山形盆地版のほか、東北各地に複数の異なるヴァージョンが存在する。それらはスタンダードな歴史伝承から逸脱し、各地の生態系や災害等の出来事を自在に織り込んでいる。「藻が湖外伝・序曲」は、蛇・蟹・亀などの登場するそうした各地のヴァリエーションを収集し、アジアや山形に積層する伝承や遺物と関連付けながら、新たに創作したイメージの複合である。
山形盆地は文化人類学者・米山俊直によって提起された「小盆地宇宙」の典型例として、人間集団の集住するコンパクトな地勢の中に、数千万年に及ぶ時間の中で形成された地質学的な現実や、鳥獣虫魚や微生物といった無数の存在どうしの相互作用を含み、人間と非人間の総体によってダイナミックに展開する宇宙論を形成してきた。このような全体運動の中で、土と風、火と水、人と機械、神仏と異形の者たちによって織り成される「山形曼荼羅」の断片から、テキストと造形物による「藻が湖ヘテログラフィー」の物語が生成する。 (石倉敏明)